1歳3ヶ月を迎えると、歩行がいよいよ「本格稼働」に入ります。
転倒の回数が減り、歩くスピードが増し、気になるものを見つけると迷わず突進していく
——その探索エネルギーの強さに、目が離せない日々が続きます。
言語発達の観点では、この時期は「言葉の貯金が増える時期」と言われており、話す言葉よりはるかに多くの言葉を脳に蓄積し続けています。
この記事では、子ども教育福祉を専攻した専門家の視点から、1歳3ヶ月(生後15ヶ月)の発達の目安と、この時期に合った関わり方をわかりやすく解説します。
前の月の発達についてはこちら → 生後14ヶ月(1歳2ヶ月)の発達・遊び方まとめ

この記事に記載している発達の目安はあくまで参考値です。1歳以降は発達の個人差がさらに広がります。気になることがあれば、かかりつけの小児科や1歳半健診のタイミングで専門家にご相談ください。
1歳3ヶ月の身体的発達の目安

1歳3ヶ月頃までに約80%の子が一人歩きを開始するとされており、この時期は歩行が「できるようになった」から「当たり前に使いこなす」段階への移行期です(参考:トイサブ:1歳の発達の目安完全ガイド)。
腕の位置がミドルガードからローガード(腕が自然に体の横に下りた状態)へと移行し始め、大人に近い歩行スタイルへと発達していきます。
身長・体重の標準値
| 項目 | 男の子 | 女の子 |
|---|---|---|
| 身長の目安 | 約71.6〜81.1cm | 約70.3〜80.0cm |
| 体重の目安 | 約8.1〜11.6kg | 約7.6〜11.1kg |
| 特記事項 | 1歳0〜5ヶ月の標準値の範囲内。月ごとの増加は約100〜200g程度 | |

歩き回るようになると消費カロリーが増え、体重の増加がさらに緩やかになります。食べる量にムラが出ても、活発に動いているなら心配しすぎないようにしましょう。成長曲線のカーブに沿っているかどうかを定期的に確認することが大切です。
1歳3ヶ月でできること
1歳3ヶ月の言葉・認知の発達

1歳3〜5ヶ月は言語発達において「言葉の貯金が増える時期」と位置づけられています。
話せる言葉の数はまだ少なくても、脳の中では毎日新しい言葉が蓄積され続けており、1歳半以降の語彙爆発に向けた準備が着々と進んでいます(参考:トイサブ:1歳の言語発達はどのくらい?)。
「言葉の貯金」とは何か
語彙爆発が起きる前の段階では、子どもは言葉を「話す」より先に「ためる」プロセスをたどります。
聞いてわかる言葉(受容言語)が蓄積され、その数が一定のしきい値を超えたときに「語彙爆発」として一気に表出します。
1歳3ヶ月の時点で話せる言葉が少なくても、毎日の語りかけ・読み聞かせ・遊びの中で確実に「貯金」は積み上がっています。

「まだ言葉が少ない」と感じるとき、一番大切な確認ポイントは「言葉を理解しているか」です。名前を呼ばれて振り向く・「ボール持ってきて」に応じる・指差しへの反応があるなら、言語発達は着実に進んでいます。1歳半健診でまとめて評価してもらいましょう。
探索行動と問題解決能力の発達
歩行が安定することで行動範囲が一気に広がり、「あそこに何があるか確かめたい」という探索欲が爆発します。
引き出しを開ける・棚の物を取り出す・スイッチを押してみるといった行動はすべて「世界はどうなっているか」を確かめる認知活動です。
危険でないものは可能な限り探索させてあげることが、この時期の知的好奇心と問題解決能力の発達を支えます。
模倣の精度と社会性の発達
大人の行動をより精密に模倣できるようになります。
掃除機をかけるふり・料理をするふり・赤ちゃんをあやすふりなど、日常生活のシーンを再現するごっこ遊びが豊かになります。
これは単なるまねではなく、「自分も同じことができる」という自己効力感と社会的役割の理解が同時に育まれている重要な発達です。
1歳3ヶ月の食事の進め方

1歳3ヶ月は完了期(パクパク期)が定着し、食材のバリエーションと食感の幅をさらに広げていく時期です。
家族と同じ食卓で一緒に食べるリズムを根づかせながら、食の自立に向けた一歩一歩を積み重ねていきます。
この時期の食事のポイント

「食べない」という悩みで一番やってはいけないのは「食べるまでご飯を下げない」という長時間の拘束です。20〜30分を目安に食事を終わらせ、次のおやつや食事で補う方が、食事への前向きな気持ちを長期的に育てます。
1歳3ヶ月の子どもとの遊び方

歩行の本格化・言葉の貯金・ごっこ遊びの充実と、1歳3ヶ月は遊びの世界が大きく広がる時期です。
「探索する楽しさ」「自分でやり遂げる達成感」「言葉でつながる喜び」を軸にした遊びが、この時期の発達を最も豊かに後押しします。
1. 歩行を活かした探索遊び・外遊び
公園での自由歩行・砂場遊び・石や葉っぱを拾う探索など、外の世界を歩き回る体験がこの時期の子どもの好奇心と運動発達の両方を育てます。
「あそこまで歩いてみよう」「石は何個あるかな」と目的を作りながら一緒に歩くことで、歩行の安定と認知の発達が同時に進みます。
低い段差の上り下りも積極的に経験させてあげましょう。
2. ごっこ遊び・見立て遊びを豊かに
ぬいぐるみにご飯を食べさせる・お掃除のふりをする・お買い物ごっこをするといった日常場面を再現するごっこ遊びがこの時期に特に効果的です。
大人が一緒に参加して「いらっしゃいませ〜」「美味しそうだね!」と言葉を添えることで、想像力・語彙・社会性が同時に育まれます。
シンプルなおままごとセットや人形がこの時期の遊びに大活躍します。
3. 積み木・パズル・音の出るおもちゃ
・積み木を高く積み上げて崩す
・形はめパズルに繰り返し挑戦する
・シロフォンやマラカスなど音の出るおもちゃで遊ぶ
といった活動が、手先の精密な操作・空間認識・音楽的感覚を同時に育てます。
できなくて怒ったときは少し待って「こうしたらどう?」とヒントを出す程度にとどめ、自力で解決する体験を積み重ねさせてあげてください。
4. 言葉のやりとりを増やす遊び
・「ワンワンはどこ?」と問いかける指差し遊び
・子どもが発した言葉をそのまま返すおうむ返し
・絵本を使ったインタラクティブな読み聞かせ
こうした内容が、言葉の貯金をさらに豊かにします。
子どもが何かに注目した瞬間に素早く言葉をつける「共同注意への言語化」が、この時期の語彙習得に最も効果的なアプローチです。
5. 読み聞かせの継続
語彙爆発が近づく1歳3ヶ月は、読み聞かせの質と継続が特に重要です。
日常生活の場面を描いた絵本・繰り返しフレーズがある絵本・子どもが好きなキャラクターの絵本が特におすすめです。
1歳向けのおすすめ絵本は1歳におすすめの絵本まとめをご覧ください。

この時期の子どもは「自分でやりたい」という気持ちが非常に強くなります。靴を自分で履こうとする・着替えを手伝ってほしがらないといった場面が増えますが、時間がかかっても「自分でやる」機会を最大限に確保してあげることが、自立心と自己効力感の発達につながります。
1歳3ヶ月におすすめのアイテム・情報

歩行の本格化・言葉の貯金・ごっこ遊びの充実と、1歳3ヶ月は発達に合ったアイテムが遊びと学びを一層豊かにする時期です。
通信教育教材を始めるなら今
語彙爆発が近づくこの時期は、月齢に合った教材の刺激が言語と知育の発達を効果的に後押しします。
幼児ポピーのお試し見本は無料で申し込め、1歳向けの「ももちゃん」コースでは言語・知育・生活習慣をバランスよくカバーしています。
天神は1歳半健診前に検討を始めるご家庭が多い買い切り型タブレット教材で、発達段階に合わせて問題が自動調整される点が特徴です。
まずは無料の資料請求から内容を確認してみてください。
教材の比較は0歳・1歳の通信教育比較まとめも参考にしてください。
AndTOYBOX
1歳半に向けて知育玩具をさらに充実させたい方には、自分でおもちゃを選べる知育玩具サブスクのAndTOYBOXがおすすめです。
月齢や子どもの好みに合わせてセレクトできるため、ごっこ遊び・積み木・音楽おもちゃなどこの時期に適したおもちゃを自分でカスタマイズできます。
詳しくはおもちゃサブスク比較まとめをご覧ください。
英語絵本の定期便
言葉の貯金が増えるこの時期に英語の音とリズムへの接触を継続することが、長期的な英語力の土台を確実に作ります。
Baby English Labo(BEL)は0〜2歳向けの英語絵本定期便で、英語が苦手なパパ・ママでも親子で自然に楽しめる設計になっています。
日本語の語彙爆発と並行して英語感覚も育てたい方の最初の一歩として最適なサービスです。
1歳3ヶ月におすすめの絵本

言葉の貯金が急増するこの時期は、
「日常生活の場面を描いた絵本」
「繰り返しフレーズが心地よい絵本」
「動物・食べ物・乗り物など好きなテーマの絵本」
が特におすすめです。
子どもが自分でページをめくる・指差しで絵に反応するといった積極的な参加が見られる絵本を選ぶことで、読み聞かせがより豊かなやりとりの場になります。
1歳向けのおすすめ絵本は1歳におすすめの絵本まとめでまとめて紹介しています。
次の月齢の発達が気になる方は → 生後16ヶ月(1歳4ヶ月)の発達・遊び方まとめ
1歳3ヶ月ごろ、言葉ややりとりを3分だけ見返すメモ
この時期は、言える言葉の数だけでなく、家の中でどんなふうに気持ちを伝えようとしているかを見ると、毎日の変化をつかみやすくなります。できることを増やそうと急がず、短い場面を一つずつ残しておく形で十分です。
| 見たい場面 | 短く残す例 |
| 欲しいものがあるとき | 指さし、視線、手を引く、音や言葉のどれで伝えようとしたか |
| 呼びかけたとき | 名前や簡単なお願いに、振り向く・見に来る・まねする様子があったか |
| 絵本や遊びの最中 | 同じ絵を指す、音をまねる、ページを選ぶなど、親子で止まれた場面 |
心配だけでなく、楽しめている場面も一緒に残す
気になることがあるときも、うまくいかなかった場面だけでなく、好きな遊びや安心してやりとりできた場面を一つ添えると、家庭で見えている様子を共有しやすくなります。心配が強い、生活の中で困りごとが続くと感じるときは、健診を待たずに自治体の保健センターやかかりつけ医へ相談してください。
こども家庭庁は、1歳6ヶ月児健診で身体の発育、栄養、運動や言語の発達などを確認すると案内しています。家庭での短いメモは、相談時に状況を伝える助けになります。
月齢・絵本・相談先をつなげて見る
- 前の月齢の記事:変化を一か月単位で見返したいときに。
- 次の月齢の記事:この先の見通しを知りたいときに。
- 1歳5ヶ月ごろの絵本:指さしやことばのやりとりを、親子で楽しみたいときに。
- 1〜2歳の言葉の発達が気になるときに:相談の目安や家庭での見方を確認したいときに。
参考情報:こども家庭庁 母子健康手帳ウェブサイト「乳幼児健診について」
よくある質問

1歳3ヶ月でまだ歩いていません。心配ですか?
1歳3ヶ月時点でも歩いていない子はいます。一人歩きは1歳半頃までに始まれば正常な範囲内です。
つかまり立ちやつたい歩きが安定していれば、歩行の準備は進んでいます。
ただし1歳半健診が近づいてもつかまり立ちすら難しい場合は、早めにかかりつけの小児科に相談してみてください。
個人差があります。
言葉が増えません。1歳半健診まで待てばいいですか?
名前を呼ばれて振り向く・指差しへの反応がある・「持ってきて」などの指示を理解しているなら、1歳半健診まで様子を見ることが多いです。
ただし言葉への反応が乏しい・目が合いにくいといった様子がある場合は、健診を待たずに早めにかかりつけ医に相談することをおすすめします。
早めの相談は安心につながります。
何でも引き出しを開けたり棚から物を出したりして困ります。
これはこの時期の「探索行動」であり、認知発達の自然な表れです。
完全に禁止するより、触っても安全な引き出しや棚を1〜2か所用意して「ここは触っていいよ」という場所を作ることが現実的な対策です。
危険なものは物理的に届かない場所へ移動させるか、ロックをかけて対策しましょう。
ごっこ遊びをうまく引き出す方法はありますか?
大人が先にやってみせることが最も効果的です。
ぬいぐるみにご飯を食べさせる・積み木を電話に見立ててもしもしをする
——これを繰り返し見せると、子どもが自分でも試し始めます。
シンプルなおままごとセットや人形など、見立て遊びを引き出しやすいおもちゃを用意することも助けになります。
天神とこどもちゃれんじ、1歳3ヶ月ならどちらがおすすめですか?
どちらも1歳3ヶ月から取り組める教材です。
こどもちゃれんじは毎月月齢に合った知育玩具・絵本・情報誌が届くサブスク型で、まず試してみたい方に向いています。
天神は買い切り型のタブレット教材で、0歳から6歳まで長く使えるモンテッソーリ教育ベースの内容が特徴です。
詳しい比較は0歳・1歳の通信教育比較まとめをご覧ください。
まとめ:1歳3ヶ月は「探索」と「言葉の貯金」が同時に加速する時期

1歳3ヶ月は、歩行の本格化による行動範囲の拡大・言葉の貯金の急増・ごっこ遊びの充実と、発達のあらゆる側面が「次のステージ」に向けて準備を整えていく時期です。
話せる言葉はまだ少なくても、毎日の語りかけ・読み聞かせ・探索体験が1歳半以降の爆発的な成長の土台を確実に作っています。

棚から物を全部出す・引き出しを何度も開け閉めする——片付けても片付けても散らかる毎日に疲れを感じるのは当然です。でもその「いたずら」のひとつひとつが、世界の仕組みを学ぶための立派な実験です。全部を許容する必要はありませんが、「この子は今、科学者として世界を調べているんだ」という視点を持つだけで、少し気持ちが楽になるかもしれません。
1歳3ヶ月は、できることを増やすより『やりとり』を見る
生後15ヶ月ごろは、歩く距離が伸びたり、気になる引き出しを何度も開けたりして、保護者の目が離せない日が増えます。けれど、できることを月齢表と一つずつ照らし合わせるより、子どもが何に近づき、何を大人に見せようとしているかを見るほうが、家庭での関わりには役立ちます。
たとえば、物を渡してくる、同じ動きをまねする、指をさして大人の顔を見る。言葉になる前のやりとりも、大切な伝え方の一つです。『どうぞしてくれたね』『あったね』と短く返し、子どもの順番を少し待ってみましょう。
歩き方や発語の速さには個人差があります。できる・できないだけで判断せず、以前より反応が減った、使えていた力が目立って減った、保護者の不安が続くときは、次の健診やかかりつけ医、自治体の相談先へつなげる選択肢があります。
家庭で無理なく続ける、小さな関わり
- 散歩では、子どもが止まった場所を急がず一度見る
- 家では、危なくない引き出しや箱を一つだけ探索用にする
- 絵本は、最後まで読ませるより好きなページで言葉を交わす
月齢は目安です。できることを急がせるより、子どもが今興味を向けているものや、伝えようとしている方法を見つけることを大切にしましょう。気になることが続くときは、相談先を使ってください。
前後の月齢と、気になることをつなげて見る
- 生後14ヶ月の発達・遊び方:前の月からの変化を見直したいときに。
- 生後16ヶ月の発達・遊び方:次の月齢で気になりやすいことを見たいときに。
- 1〜2歳の言葉の発達が気になるときに:言葉の数だけでなく、理解や身ぶりも含めて見たいときに。
- 1歳におすすめの絵本まとめ:遊びや読み聞かせを選びたいときに。
参考情報:厚生労働省「乳幼児に対する健康診査の実施について」、明治「1歳4ヵ月頃〜1歳半頃のお子さまの発育と発達」
1歳3ヶ月ごろ、言葉の前にある「選ぶ」やりとり
飲み物、靴、絵本などを二つ並べたとき、目線・手・声で選ぼうとする場面があります。言えた単語だけでなく、選んだあとに大人へ見せるか、もう一度求めるかを見ます。
前の月のしぐさは生後14ヶ月の発達・遊び方、理解や言葉を月齢で整理するなら1歳の言葉が少ないときの月齢別ガイドを参考にしてください。