1歳から2歳ごろは、言葉の出方に大きな個人差があります。
同じ月齢でも、単語がいくつも出る子もいれば、指差しや表情、身ぶりで気持ちを伝えることが中心の子もいます。
ただし「そのうち話すはず」とだけ考えるより、聞こえ方、理解、指差し、まね、親子のやりとりを一緒に見ておくと、相談すべきタイミングを逃しにくくなります。
この記事は一般的な発達の目安をまとめたものです。聞こえ、理解、視線、指差し、発達全体で気になることがある場合は、自治体の乳幼児健診・発達相談・小児科につなげてください。

言葉の数だけを見ると不安が大きくなりやすいです。家庭では「話せる言葉」だけでなく、「分かっている言葉」「伝えようとする姿」「大人と気持ちを共有しようとする姿」も一緒に見ていきます。
1歳・2歳の言葉の発達はどこを見る?
言葉の発達は、いきなり単語が増えるのではなく、聞く、見る、指差す、まねる、やりとりを楽しむ土台の上に育ちます。
そのため、単語数だけで「遅い」「遅くない」と決めるより、コミュニケーション全体を見た方が実態に近いです。
| 見るポイント | 確認したい様子 | 家庭での見方 |
|---|---|---|
| 聞こえ | 名前を呼ぶと振り向く、生活音に反応する | テレビやおもちゃの音ではなく、人の声への反応も見る |
| 理解 | 「ちょうだい」「おいで」など簡単な言葉が状況と結びつく | 言葉だけで難しい場合は、身ぶりを添えた時の反応も見る |
| 指差し | 欲しいもの、見つけたもの、聞かれたものを指す | 指差しの先を大人と共有できているかを見る |
| まね | バイバイ、拍手、いただきますなどをまねる | 音声だけでなく、動作のまねも発達の手がかりになる |
| やりとり | 目が合う、笑い返す、気持ちを伝えようとする | 言葉が少なくても、伝えたい気持ちがあるかを見る |
こども家庭庁の1歳6か月児健診資料でも、絵本を見て知っているものを指すか、大人の簡単な言葉が分かるかなど、言葉だけでなく理解や社会性を含めて確認する流れが示されています。
保育所保育指針でも、乳幼児期は特定の大人との応答的な関わりを通じて情緒的な絆が育つ時期とされており、言葉は日々のやりとりの中で伸びていきます。
1歳半ごろの言葉の目安
1歳半ごろは、言葉の心配が出やすい時期です。
「ワンワン」「ママ」「ブーブー」のような意味のある単語が少しずつ出る子が増えますが、発語の数にはかなり幅があります。
この時期に大切なのは、単語が何個あるかだけではありません。
単語が少なくても、理解や指差し、まね、目線の共有が育っている場合は、言葉をためている途中のことがあります。
反対に、音への反応が弱い、呼びかけにほとんど振り向かない、指差しが見られない、視線が合いにくいなどが重なる場合は、早めに相談しておくと安心です。
1歳半前後の詳しい発達は、生後18ヶ月(1歳半)の発達・遊び方まとめでも整理しています。
2歳ごろの言葉の目安
2歳ごろになると、使える単語が増え、身近な人やもの、生活の動作を言葉で伝えようとする姿が出てきます。
「ママ、きた」「ワンワン、いた」のような二語文が出始める子もいます。
一方で、2歳ちょうどで二語文がまだ出ていない子もいます。
大切なのは、言葉が増える方向に向かっているか、理解ややりとりが伸びているかを見ることです。
2歳で言葉がまったく出ない、言葉の理解も弱い、やりとりが続きにくい場合は、様子見だけにせず相談先を持っておく方が安全です。
国立成育医療研究センターのリハビリテーション科でも、ことばや聞こえ、コミュニケーションに難しさがある子どもに対して評価や指導を行う領域が示されています。
2歳前後の発達全体は、生後24ヶ月(2歳)の発達・遊び方まとめもあわせて確認できます。
言葉が遅いと感じるときに家庭でできる関わり方
家庭でできることは、言葉を言わせる練習ではありません。
子どもが見ているもの、触っているもの、感じていそうな気持ちに、大人が短い言葉を添えることです。
1. 子どもの興味に言葉を重ねる
子どもが車を見ているときは「車だね」「ブーブー走ってるね」と、今見ているものを短く言葉にします。
大人が言わせたい言葉より、子どもが今注目しているものに合わせる方が、言葉と体験が結びつきやすいです。
2. 先回りしすぎず、少し待つ
欲しいものが分かっていても、すぐ渡す前に少し待つと、子どもが指差し、声、表情で伝える機会が生まれます。
ただし、泣くまで待たせる必要はありません。
「これ?」「お水かな?」と選びやすい言葉を添えるだけでも十分です。
3. 子どもの言葉を広げて返す
子どもが「ワンワン」と言ったら、「ワンワンいたね」「大きいワンワンだね」と少しだけ言葉を足して返します。
正しく言い直させるより、伝わった経験を積むことが大切です。
4. 絵本は読み切らなくてよい
言葉を増やしたいとき、絵本はとても使いやすい道具です。
ただし、最初から最後まで読む必要はありません。
子どもが指差した絵を見て、「りんごだね」「食べたいね」のように短くやりとりするだけでも、言葉の経験になります。
1歳向けの絵本は、1歳におすすめの絵本まとめも参考にしてください。
相談を考えたいサイン
言葉の遅れが気になるときは、家庭での関わりを工夫しながら、相談先も同時に持っておくと安心です。
特に次のような様子が重なる場合は、乳幼児健診、自治体の発達相談、小児科、耳鼻科などにつなげてください。

相談することは、発達の遅れを決めつけることではありません。聞こえの確認、関わり方の整理、家庭でできる工夫を早めに知るための入口です。
よくある質問
1歳半で単語が少ないと発達障害ですか?
単語が少ないだけで、すぐに発達障害と決まるわけではありません。
聞こえ、理解、指差し、まね、目線の共有、遊び方などを合わせて見ます。
心配な点が複数ある場合は、健診や発達相談で具体的に確認してもらうと安心です。
テレビや動画を見せると必ず言葉が遅れますか?
テレビや動画だけで必ず遅れるとは言い切れません。
ただ、子どもが一方的に見る時間が長くなり、大人とのやりとりや実物に触れる時間が減ると、言葉を使う経験は少なくなります。
見る場合も、一緒に見ながら「これ何かな」「ワンワンいたね」と会話に変える方がよいです。
言い間違いは直した方がいいですか?
強く言い直させる必要はありません。
子どもが「たーた」と言ったら、大人が自然に「くつしただね」と返すように、正しい言葉を会話の中で聞かせます。
男の子は言葉が遅いから様子見でいいですか?
性別による傾向が語られることはありますが、「男の子だから大丈夫」と決めてしまうのは避けた方がよいです。
聞こえ、理解、指差し、やりとりの様子を見て、気になる点があれば相談につなげます。